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Κατασκευή και βαφή

フィギュア塗装の基本と必要な道具|初心者向け

Ενημέρωση: 2026-03-19 19:58:44白石 彩花

完成品のリペイントも、レジンキットの新規塗装も、流れ自体は洗浄から始まり、下地を整えて、塗って、トップコートで守るという一本の線でつながっています。
この記事では、全高20cm前後の最初の1体を安全に仕上げることを目標に、『Mr.サーフェイサー1000』やMr.スーパークリアーのような定番道具を軸に、道具の選び方から工程ごとの判断基準まで初級者向けに整理します。

筆者も最初のリペイントでサフを厚く吹きすぎてモールドを埋めたことがあり、そこで吹き付け距離20〜30cmと回数管理の意味を痛感しました。
PVCは既存塗膜を活かしてサーフェイサーを省く場面がある一方、レジンはプライマー入り下地が前提になることが多く、同じ「下地」でも考え方は別物です。

筆塗りは細部、缶スプレーは広い面、エアブラシは薄く均一な面とグラデーションという役割分担を押さえるだけで、道具選びの迷いはぐっと減ります。
筆者自身、ベランダで缶スプレーを回していた時期から、肌や髪のグラデーションを入れたくなってProcon BOYの0.3mmを導入しました。
その転機も含めてHobby JAPAN Web フィギュア塗装How To()やYZPハウス ガレージキットの塗装方法()で整理されている定石に沿って、最短で失敗を減らす道筋をお伝えします。

フィギュア塗装とは何か?完成品リペイントとガレージキット塗装の違い

フィギュア塗装には主に2つの入口があります。
既に彩色されたPVC完成品を上から塗り替える「リペイント」と、未塗装のレジンパーツを組み立てて塗る「ガレージキット塗装」です。
扱う表面や下地の前提が違うため、工程の組み方や失敗の出方も変わります。
PVCは既存塗膜の扱いが中心で、レジンは離型剤の除去と密着性の確保がより重要になります。

完成品リペイントは「既存塗膜の上からどう扱うか」が出発点です

PVC完成品のリペイントは、工場で塗装済みの完成品に手を入れる作業です。
新品のパーツに一から色を置くのではなく、すでにある塗膜、接着、素材の柔らかさを前提に進めます。
つまり、模型のプラパーツを塗る感覚とは少し違って、まず「どこまで分解するか」「元の塗膜を活かすか」「マスキングで逃げるか」を決めるところから始まります。

筆者は以前、PVC完成品の腕を外そうとしてジョイントを無理にひねり、軸まわりを白化させたことがあります。
あの手の白化は戻せても痕跡が残ることがあり、見えない部分のつもりでも精神的にきついんです。
完成品分解では温めて外す方法が紹介されることもありますが、破損の芽を抱えたまま進めることになるので、温めての分解は自己責任という前提を外せません。
初回なら、無理にばらさず細切りの『タミヤ』マスキングテープとマスキングゾルを優先し、露出した面だけを塗る進め方のほうが安全側です。
曲面や境目の多いフィギュアでは、細切りテープとゾルの併用が有効だとYZPハウス マスキングゾル比較でも整理されています。

下地についても、完成品リペイントはレジンキットより判断が細かくなります。
既存塗膜が安定していて、表面に大きな傷や修正跡がなければ、洗浄のあとに必要部分だけ軽く足付けして塗装へ進む場面があります。
逆に、色を大きく変える、旧塗膜の段差をならしたい、発色を揃えたいという目的があるなら、サーフェイサーを挟んだほうが工程の再現性が上がります。
前述の通り、サーフェイサーは常に必須ではなく、何を整えたいかで使い分ける道具です。

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ガレージキット塗装は「素材そのものを塗れる状態にする」ところから始まります

ガレージキット塗装は、主にレジンパーツを整え、仮組みし、下地を作ってから塗る流れです。
こちらは既存塗膜に遠慮する必要がない代わりに、素材そのものの癖に向き合うことになります。
離型剤の除去、パーティングライン処理、気泡埋め、軸打ちを含む仮組み、そしてプライマーやサーフェイサーの選定まで、塗る前の準備が完成度を左右します。

特に見落とされやすいのが離型剤です。
レジンは表面に離型剤が残っていることがあり、これを落とさないまま塗ると塗料が均一に乗りません。
筆者も洗浄を甘く見たまま吹いて、塗料が水玉のようにはじかれ、最初からやり直したことがあります。
こういう失敗があるので、レジンでは洗浄がただの前準備ではなく、塗装の一部になります。

YZPハウス ガレージキットの塗装方法でも触れられている通り、レジンでは塗料の密着管理がとくに重要です。
通常のサーフェイサーだけで済ませるより、プライマー入りサーフェイサーや専用プライマーを挟んだほうが、あとで角から塗膜が欠ける事故を減らせます。
『Mr.サーフェイサー1000』のような標準的な番手は傷の確認と発色の統一に向いていますが、レジンや金属系パーツでは「表面を整える」だけでなく「食いつかせる」という役目まで意識して選ぶ必要があります。

ガレージキットの塗装方法を徹底解説!色んな塗装技法を使ってフィギュアの質感を変えてみよう。yzphouse.com

初心者が最初の1体で迷わない対象

最初の対象として扱いやすいのは、全高20cm前後で、パーツ点数が少なく、色分割も単純なものです。
完成品リペイントなら、髪色の変更や服の一部だけを塗り替えるような、分解なしでも成立する題材が向いています。
ガレージキットなら、ポーズが素直で接合部が読み取りやすく、極端に細い装飾が少ないレジンキットが初級向けです。

ここでいう初級は、「手順を減らして楽をする」という意味ではありません。
洗浄を省かない、仮組みを飛ばさない、下地確認を怠らないという前提で行います。
工程の一つひとつを追い切れる対象を選ぶということです。
Delighted フィギュア塗装のやり方や制作系メディアで共通しているのも、基本工程を飛ばさない考え方です。

NOTE

初回の題材で「情報量の多い衣装」「透明パーツが多い構成」「髪束の隙間が深い造形」を選ぶと、塗り分けより先に保持とマスキングで手が止まりがちです。
20cm前後で面が追いやすい1体のほうが、洗浄からトップコートまでの流れを体で覚えられます。

フィギュア塗装のやり方とは?初心者向けにわかりやすく解説 | 株式会社Delighteddelighted-tcg.com

共通しているのは、工程の骨格です

リペイントでもガレージキットでも、工程の骨格は同じです。
洗浄して、下地を整え、塗装し、トップコートで保護する。
この流れはHobby JAPAN WebやYZPハウスでも一貫していて、記事全体でもこの一本の線を再現できるように組み立てています。
違うのは、洗浄で何を落とすのか、下地で何を補うのか、どこまで分解するのかという中身です。

完成品リペイントの洗浄は、手脂やホコリ、場合によっては表面の汚れを落とす意味合いが強く、ガレージキットの洗浄は離型剤を除去して塗料の密着を確保する意味が前に出ます。
下地も、完成品では既存塗膜との相性確認が中心になり、レジンでは素材に対する密着と傷確認が中心になります。
けれど、どちらもトップコートで終えるところまで含めて塗装です。
つや消し、半光沢、光沢のどれを選ぶかで見え方が変わる点も共通しています。

この違いを最初に整理しておくと、「完成品なのにレジンと同じつもりで削りすぎた」「レジンなのに完成品感覚で洗浄を軽く流した」という事故を避けやすくなります。
ここが分かると、この先で扱う道具や塗り方の話も、単なる手順の暗記ではなく、素材に合わせた判断としてつながってきます。

最初にそろえる道具一覧:最低限必要なものとあると便利なもの

最初の1体を筆塗りで仕上げる前提で、道具を「最低限必要なもの」と「あると便利なもの」に分けて整理します。
最初から机を工具で埋める必要はありません。
むしろ、役割がはっきりした道具を少数そろえたほうが、工程の流れが頭に入りやすく、失敗の原因も追いやすくなります。

まずそろえたい最低限の道具

筆は面相筆と平筆の2本から揃えれば十分です。
細部に強い極細の面相筆と、広い面を均しやすい中サイズの平筆があれば、最初の作業は問題なく回せます。
穂先が整った「少数精鋭」で揃えるほうが長持ちし、結果的に買い直しが減ることが多いです。

塗料は、同じ系統でそろえるのが基本です。
たとえば『GSIクレオス』の『Mr.カラー』で統一する、あるいはガイアノーツガイアカラーでまとめる、といった考え方です。
『Mr.カラー』を使うなら『Mr.カラーうすめ液』を組み合わせます。
塗料のブランドをまたいで混ぜ始めると、最初の段階では「色の問題」なのか「溶剤の相性」なのか判断がつきません。
基本色を数色、肌色や髪色に必要な色を必要分だけそろえるほうが、巨大なカラーセットより実用的です。

下地用にはサーフェイサーが入ります。
標準的な選択肢は『Mr.サーフェイサー1000』、表面をよりなめらかに整えたいならMr.フィニッシングサーフェイサー1500です。
YZPハウスのサーフェイサー解説でも整理されている通り、サーフェイサーには傷の確認、塗料の密着補助、発色の安定化という役割があります。
レジンキットでは特に意味が大きく、既製品の部分リペイントでも境界を整えたい場面で効いてきます。
スプレー缶タイプなら扱いがわかりやすく、吹き付け距離の目安もつかみやすいでしょう。

塗り分けには『タミヤ』のマスキングテープ6mmと10mmが定番です。
直線だけでなく、曲面では細切りにして沿わせると境界がきれいに出ます。
さらに入り組んだ髪のすき間や装飾には『Mr.マスキングゾルNEO』のようなマスキングゾルを足すと作業が進めやすくなります。
『YZPハウスのマスキングゾル比較』でも、テープだけでは追いきれない曲面や複雑な形状で、ゾル併用の有効性がよくまとまっています。

洗浄用には特別な薬剤より、まず中性の食器用洗剤で足ります。
レジンの離型剤落としでも、PVCの表面の油分落としでも、最初の洗浄を入れるだけで塗料の乗り方が変わります。
あわせて、パーツを直接指で触り続けないためのニトリル手袋もあると安心です。
持ち手はペインティングクリップ系のクリップと竹串があれば十分で、塗装中に乾燥待ちのパーツを置く場所も作れます。
手でつまんだまま塗ると、乾いていない場所に触れてやり直しになりがちです。

表面処理用には紙やすり、またはスポンジやすりも欠かせません。
番手は400、600、800、1000があれば、傷のならしから仕上げ前の整面まで一通り回せます。
ゴッドハンドの神ヤス!は曲面への追従がよく、髪や腕の丸みを削りすぎずに整えられます。
ここを省くと、塗料そのものより先に下地の粗さが目立ってしまいます。

仕上げにはトップコートを用意します。
Mr.スーパークリアーのつや消し、半光沢、光沢の3系統が基本で、布感を出したい衣装ならつや消し、肌や革の表現を少し残したいなら半光沢、エナメル調や宝飾パーツなら光沢、という使い分けになります。
『YZPハウスのトップコート解説』も、この3系統の差を理解する入口として整理がうまいです。
完成後に質感をそろえる工程なので、見た目の印象をまとめる役割が大きい道具です。

換気環境とマスクも、道具として最初の段階から数えてください。
ラッカー系塗料やサーフェイサー、トップコートを使うなら、屋外や窓を開けたうえで送風を確保し、有機ガス用吸収缶に対応した防毒マスクを組み合わせる形が基準になります。
3Mや重松製作所の有機ガス用吸収缶対応マスクは、この用途で名前が挙がりやすい定番です。
塗装そのものに意識が向きがちですが、作業を継続できる環境を作るという意味では、ここも筆や塗料と同じくらい最初にそろえる対象です。

商品名 | GSIクレオス Mr.Hobbymr-hobby.com

あると便利なもの

最低限セットに加えて、作業を安定させる小物もあります。
調色スプーンや調色棒、塗料皿、スポイトがあると、色を少量ずつ試しながら進められます。
筆塗りでは「ほんの少しだけ薄めたい」「1滴だけ白を足したい」という場面が多いので、瓶から直接混ぜるよりも失敗が減ります。
綿棒や無塵ワイプは、はみ出しやホコリ取りの場面で出番が多い道具です。

作業スペースまわりでは、遮風用の段ボールボックスがあると缶サフやトップコートの飛び散りを抑えやすくなります。
ドライヤーも弱風や冷風で乾燥補助に使えますが、乾燥を急がせるというより、ホコリが落ちる前に表面を落ち着かせるための補助と考えると扱いやすいでしょう。
持ち手用にパーツへ穴を開ける場面では、1.0mm前後のピンバイスがあると選択肢が広がります。

切削工具は最初から一式なくても進められますが、ゲート処理や整形の精度を上げたいならゴッドハンドのアルティメットニッパーのような薄刃ニッパーがあると助かります。
ただし、ここは最初の予算を圧迫しやすい部分でもあります。
筆・塗料・サフ・トップコートが整っていない段階で、切削工具だけ豪華にしても完成度は伸びません。

エアブラシは最初から必要か

結論から言うと、初回の1体に必須ではありません
筆塗りと缶サフ、缶のトップコートがあれば、基本工程は最後まで通せます。
筆者も最初の1体は缶サフと筆塗りで仕上げました。
そこで「完成まで持っていく流れ」をつかんでから、次に髪のグラデーションや広い面の均一な陰影を入れたくなって、0.3mmのエアブラシを足した形です。
この順番だと、エアブラシがないとできない表現と、筆で十分な作業の境目がよく見えます。

導入するなら、フィギュア用途ではダブルアクションの0.3mmが基準です。
『GSIクレオス』のProcon Boy 0.3mmクラスは、広い面と細部の中間を受け持てるので守備範囲が広めです。
細吹き寄りなら0.2mmも候補に入りますが、最初の1本としては0.3mmのほうが扱える場面が多いでしょう。
エアブラシは広い面を薄く均一に重ねる工程や、髪・肌のグラデーションで強みが出ます。
一方で、瞳やまつ毛、装飾の縁取りまで置き換えられるわけではなく、結局は面相筆が必要になります。

缶スプレーの立ち位置も整理しておくと迷いません。
サーフェイサーやトップコート、一部のベタ塗りには向いていますが、局所的な陰影づけや細かなグラデーションには向きません。
つまり、缶スプレーは「下地と仕上げの効率化」、エアブラシは「塗装表現の幅を広げる道具」、筆は「細部を決める道具」と考えると役割分担がすっきりします。

TIP

最初のセットアップでは、安価すぎる粗悪筆の大量セット、極太の平筆、用途が重複する色ばかり入ったカラーセット、風量の弱い簡易コンプレッサは後回しで構いません。
数だけ多くても、作業中に迷う要素が増えるだけだからです。

コスト感が分からないと準備で止まりがちです。
缶タイプのサーフェイサーは1本800〜1,000円前後が目安で、以下は編集部が実売例を組み合わせた概算例です(参考値):面相筆×1=660円、平筆×1=660円、サーフェイサー(缶)=770円、マスキングテープ(6mm)=385円、塗料(300円×3色)=900円、合計:約3,375円。
したがって筆塗りの最小セットはブランドや色数で変動しますが、編集部の概算ではおおむね3,000〜7,000円の範囲になる見込みです。

塗装の成否は、実際にはこの前処理でほぼ決まります。
表面に離型剤や手脂が残ったまま進めると、どれだけ発色のよい塗料を選んでも密着が乱れます。
筆者も一度、洗浄を省いてそのまま下地を入れたところ、塗料がところどころはじかれて弾いた跡が残り、結局いったん止めて追加洗浄することになりました。
そのときは洗い直したあとに表面を軽く足付けしてから進めたところ、以後は下地の乗りが落ち着きました。
遠回りに見えても、最初の洗浄と確認を飛ばさないほうが結果として早いです。

洗浄はぬるま湯と中性洗剤で丁寧に進める

洗浄は、ぬるま湯に中性洗剤を少量入れて、パーツをやさしく洗うところから始めます。
指先でこするだけでは凹部の汚れや離型剤が残ることがあるので、毛先のやわらかいブラシを使って、髪の流れや衣装のしわ、装飾のすき間まで軽くなでるように動かします。
力を入れてこすると角が立っている部分や細いパーツに負担がかかるので、汚れを浮かせる感覚で十分です。

すすぎは短時間で切り上げず、流水で洗剤分が残らないところまで流します。
洗剤が表面に残ると、あとでサーフェイサーや塗料の食いつきに影響が出ます。
すすいだ後は繊維の出ない布で水分を押さえるように拭き取り、凹部にたまった水は自然に抜けるのを待ちます。
乾燥時間の目安は数時間から一晩で、洗浄そのものは30〜60分ほど見ておくと慌てません。
水分が残ったまま次工程へ進むと、塗膜トラブルの原因を自分で増やす形になります。

分解は無理をせず、外せないならマスキングで進める

PVC完成品をリペイントするときは、分解できるかどうかの見極めも前処理の一部です。
差し込みがきつい部分を温めて抜く方法は定番ですが、お湯を使う分解は自己責任になります。
温度管理が甘いと軟化しすぎたり、逆に十分に緩まず無理な力が入ったりして、白化や亀裂につながります。
引っ張る方向が少しずれただけでも、ダボ周辺や細い接続部は傷みます。

筆者は、少しでも抵抗が強いと感じたら、そこで分解前提をいったん捨てます。
外せないものを無理にこじるより、既存塗膜を活かしたまま『タミヤ』のマスキングテープやマスキングゾルで塗り分けたほうが、完成後の見栄えまで含めて安定します。
曲面や入り組んだ境界の考え方はYZPハウス マスキングゾル比較でも整理されている通りで、分解できない部分をマスキング前提で処理するのは逃げではなく、破損回避のための判断です。
分解と保持準備には30〜60分ほど見ておくと作業が詰まりません。

TIP

分解したパーツは、外した順番がわかるように並べて置くと組み戻しで迷いません。左右対称の腕や髪パーツは見た目が近いので、トレーを分けるだけでも混乱を減らせます。

パーツ確認では傷だけでなく保持方法まで決める

洗浄と分解が済んだら、表面状態を一つずつ見ていきます。
ここで見たいのは、パーティングライン、ヒケ、微小気泡、曲がりや反りです。
パーティングラインは光を斜めから当てると浮き上がって見えますし、ヒケは面の反射がわずかに歪むので気づけます。
微小気泡は塗ってから目立つことが多く、肌や広い布面に残ると一気に視線を集めます。
レジンキットではもちろん、完成品でも成形由来のラインや歪みが残っていることがあります。

この段階で忘れたくないのが、どう持って塗るかを先に決めることです。
塗装中に触れる場所が定まっていないと、せっかく整えた面を指で触り続けることになります。
裏側や差し込みで隠れる位置に持ち手穴を開けられるなら、ピンバイスで穴を作ってからペインティングクリップを付ける方法が安定します。
市販のペインティングクリップ類は塗装中の保持に便利で、パーツを机に置かずに回せるぶん、乾燥前の面に触れる事故を減らせます。
穴を開けたくないパーツは、既存のダボ穴や接続軸をそのまま利用して保持するほうが安全です。

保持方法まで決めておくと、次の表面処理やサーフェイサー工程で迷いません。
Delighted フィギュア塗装のやり方でも基本手順として前処理の丁寧さが重視されています。
実際の現場感覚でも、保持を先に決めたパーツは塗装中の事故が少なく、作業の流れが途切れません。
ここが整うと、塗る前の不安がだいぶ減ります。

関連記事グラデーション塗装のやり方|髪・服・面の陰影髪や服、顔まわりに自然な陰影が入ると、フィギュアの印象は一気に立体的になります。この記事は、エアブラシのグラデーション塗装をこれから安定して再現したい初心者から中級者に向けて、約6時間の作例ベースで手順と数値の目安を整理した内容です。

工程2 — 下地処理とサーフェイサーの基本

塗装の見栄えは上塗りの色で決まると思われがちですが、実際にはこの段階でほとんど勝負が決まります。
サーフェイサーは単なる「灰色の下塗り」ではなく、表面の傷を見つけるためのチェック層であり、色の発色を整えるための補助層であり、塗料の食いつきを安定させる中間層でもあります。
YZPハウス サーフェイサーの効果でも整理されている通り、傷確認、発色補助、密着補助の3つをまとめて担えるのがサーフェイサーの強みです。

ただし、ここで押さえたいのはサーフェイサーは常に必須ではないという点です。
たとえば肌の透明感を残したい場面や、ホワイトレジンの素材色をそのまま活かしたい場面では、あえてサフレスで進める考え方もあります。
筆者も顔まわりの血色感や柔らかさを重視したいときは、最初から「必ずサフを吹く」と決めず、発色設計との兼ね合いで判断します。
下地を均一化する利点と、素材由来の明るさを残す利点は、同じ方向を向いているとは限りません。

500・1000・1500番は「粗さ」ではなく役割で選ぶ

番手選びで迷ったら、まずは500、1000、1500の性格を分けて考えると整理できます。
500は傷埋め寄りで、ペーパー跡や小さな段差を拾ってならす用途に向きます。
1000は標準的な下地で、迷ったときの基準に置きやすい番手です。
1500は平滑さを優先したいとき、特に光沢仕上げの前で力を発揮します。

筆者は初期に、消したい傷が多かったパーツへ500をそのまま厚めに吹いてしまい、髪の流れや衣装のエッジが少し甘くなったことがあります。
埋まったわけではないのに、情報量がひと段ぼやけて見えてしまうんです。
その反省から、傷処理そのものは研磨でできるだけ済ませ、仕上げ前は1500で平滑な面を作る流れに変えました。
すると光沢を乗せたときの締まり方が明らかに変わり、面の反射が揃って立体感もきれいに出ました。
番手の数字が大きいほど万能という話ではなく、どこで面を整え、どこで細部を守るかの発想が大切です。

吹き方の基本は、用途ごとに目安距離を分けて考えることが大切です。
サーフェイサー(下地)は目安30cm程度、トップコートは20〜30cm程度を出発点に、いずれも薄く2〜3回に分けて重ねてください。
1回で隠そうとすると粒子が溜まりモールドが鈍るので、数分置いて面が均一に曇るのを確認してから重ねます。
乾燥は環境依存ですが、目安として「十分に乾燥するまで2〜3時間」を見ておくと次工程が安定します。

顔パーツほど「薄く様子見」が効く

とくに顔パーツは情報量が多く、少しの厚みで印象が変わりやすいので「薄く様子見」を徹底してください。
サーフェイサーは目安30cm程度、トップコートは目安20〜30cm程度を出発点に、いずれも薄く2〜3回に分けて重ねるのが安全です。
乾燥時間は環境依存なので「十分に乾くまで2〜3時間を目安に」といった柔らかい表現に留め、製品ラベルの指示を優先してください。
作業時間の感覚としては、ヤスリがけに30〜90分、サフ吹きは各パーツ5〜10分を2〜3回、そこから乾燥に2〜3時間という流れです。
下地作りだけで半日近く使うこともありますが、ここで整っていれば本塗装の手戻りが減ります。
缶サフのコストは1本あたり参考価格で800〜1,000円前後なので、失敗を減らす保険として見ても負担は重すぎません。

PVCとレジンでは下地の考え方が変わる

素材が違うと、同じサーフェイサーでも意味合いが変わります。
レジンキットでは離型剤残りと素材そのものの食いつきの弱さがあるため、プライマー、あるいはプライマー入りのサーフェイサーの比重が上がります。
洗浄後に見た目がきれいでも、密着層を作らずに進めると後から塗膜トラブルが出やすく、レジンではこの差がそのまま完成後の耐久につながります。

一方でPVC完成品のリペイントは、素地へ直接塗るよりも、既存塗膜の上から進める場面が多くなります。
この場合は強い下地処理より、軽い足付けで表面を整えたうえでサーフェイサーを薄く入れ、次の色が均一に乗る状態を作るほうが噛み合います。
つまりレジンは「素材に食わせる」意識、PVCは「既存塗膜の上で安定させる」意識です。
見た目は同じサフ工程でも、狙っている相手が違います。

プライマーとサーフェイサーは別物として理解する

初心者が混同しやすいのが、プライマーとサーフェイサーの役割です。
プライマーは素材への密着を上げるための層で、相手はあくまでレジンや金属、樹脂の表面です。
対してサーフェイサーは、傷を見やすくし、面を整え、上塗りの発色を揃えるための中塗り下地です。
言い換えると、プライマーは「素材に噛ませるもの」、サーフェイサーは「塗るための面を作るもの」です。

この2つを一体化したものが、いわゆるプライマーサーフェイサーです。
レジンではこの複合タイプが扱いやすく、工程を整理しながら密着と整面を両立できます。
逆に、既存塗膜がしっかり残っているPVCリペイントでは、毎回プライマーを別で入れるより、足付けとサーフで十分に整う場面も多いです。
ここが混ざると「とりあえず全部吹く」流れになりがちですが、目的ごとに分けると無駄吹きが減ります。

TIP

傷消しを急いで500番を重ねるより、研磨で段差を追い込み、1000か1500で面を整えたほうがディテールを守りやすくなります。
顔や指先のような情報量の多いパーツでは、この差がそのまま見栄えに出ます。

サーフレスを選ぶ場合も、この考え方は同じです。
サーフェイサーを省くのは工程を省略することではなく、傷確認、発色補助、密着補助のうち何を別の方法で補うかを決めることです。
肌の透明感を優先してサフレスにするなら、研磨の段階で面を整え切る必要がありますし、密着の弱い素材ではプライマーだけは入れる、という組み立てもあります。
サフを吹くか吹かないかより、何のためにその層を作るのかが見えているかどうかで、仕上がりの安定感が変わってきます。

関連記事サーフェイサー下地の作り方|番手・色・吹き方サーフェイサーは「とりあえず吹く下地」ではなく、小キズを埋めて面をそろえ、塗料の乗りと発色まで整える、塗装前の判断材料そのものです。フィギュアやガレージキットをこれから塗る初心者の方に向けて、本記事ではその役割と、500・1000・1500、さらにグレー・ホワイト系・ブラックの選び分けを、

工程3 — 実際の塗装:筆塗り・エアブラシ・マスキングの基本

筆塗りの基本

本塗装に入ったら、順序は ベースカラー→陰影(シャドウ・ハイライト)→塗り分け→細部 を崩さないほうが整います。
ここで軸になるのが、「大きい面から小さい面へ」です。
先に瞳や装飾へ手を出すと、その後のベース色や陰影で触り直しが増えます。
まず髪、肌、服の大きな面を決め、次に影と明るい部分を作り、境界の塗り分けに進み、瞳やまつ毛、アクセントカラー、スミ入れのような細部で締める流れが安定します。

筆塗りが向くのは、小物、瞳、まつ毛、衣装のエッジ色差し、スミ入れのように「狙った場所へ少量を置く」作業です。
『タミヤ』のモデリングブラシ HGII面相筆のような細筆は、こうした工程で役割がはっきりしています。
一方で、広い面を筆で均一に仕上げるのは難所です。
そこで塗料を少し薄め、1回で隠そうとせず、複数回に分けて重ねると筆跡の筋が目立ちにくくなります。
『Mr.カラーうすめ液』の公式案内でも筆塗りでは塗料とうすめ液を1:1まで視野に入れた調整例があり、筆者もまずそこを起点にして、塗膜が重すぎない状態を作ります。

筆で広い面を塗るときは、面の端から端まで一方向に流し、乾きかけを何度も触らないのが基本です。
1回目で少し透けて見えても問題ありません。
2回目、3回目で均一に寄せたほうが、厚ぼったさが出ません。
とくに髪やスカートのように面積がある場所は、筆圧を軽くして塗料を「置いていく」意識のほうがムラを抑えられます。

筆者も最初のころ、メタリックを筆でなんとか仕上げようとして、粒子の向きがばらついてムラになったことがあります。
銀の面なのに光り方がまだらで、面の広さがそのまま粗に見えてしまいました。
同じパーツをエアブラシへ切り替えたら、一度で反射が揃って見え方が整い、メタリックは道具選びで結果が変わると実感しました。
こういう経験があるので、広い金属部や均一な反射を狙う部分は、無理に筆へ寄せず、エアブラシを使う場面として割り切っています。

塗装時間の感覚も持っておくと進行が乱れません。
ベース各色は1色につき吹きまたは塗りで10〜20分ほどかけて数回重ね、その合間に15〜30分ほど乾燥を取る流れです。
筆塗り中心でも、色数が増えると想像以上に時間を使います。
焦らず面ごとに区切って進めると、塗り直しの回数が減ります。

エアブラシが力を発揮するのは、広い面、肌、メタリック、グラデーションです。
設定は塗料・希釈液・ノズル径・表現目的によって変わるため、単一値で断定せず目安レンジで示します。
目安例としては希釈が塗料:薄め液で「1:1〜1:2」、圧力は「0.05〜0.15MPa」、吹き付け距離はノズルや表現で差が出ますがまずは「6〜15cm」を出発点にしてください。
まずはテストスプレーで霧の細かさや垂れの出方を確認し、必要に応じて希釈・圧力・距離を調整するのが安全です。

吹き方は、面へいきなり色を乗せ切るのではなく、霧を重ねて濃度を作ります。
ベースカラーはまず全体に薄く回し、透けが減ってきた段階で色を整えます。
その後、シャドウを奥まった場所や折り返しの下側へ入れ、必要なら上向きの面へハイライトを足して立体感を作ります。
塗り分けの境界を作ったあとに、瞳やまつ毛のような細部を筆へ持ち替えると流れが崩れません。

缶スプレーはサーフやトップコート、一部のベタ塗りで特に有効です。
均一に面を覆う用途では頼れますが、細かな境界のぼかしや局所の陰影づけは苦手です。
エアブラシの設定値は塗料やノズル、表現目的で変わるため単一値で断定しません。
目安としては、希釈が塗料:薄め液で「1:1〜1:2」、圧力は「0.05〜0.15MPa」、吹き付け距離は「6〜15cm」を出発点にしてください。
まずはテストスプレーで霧の細かさや垂れの出方を確認し、そこから希釈・圧力・距離を調整するのが安全です。

塗り分けで仕上がりを左右するのがマスキングです。
基本は境界線を先に作り、その内側を埋めることです。
直線や緩い曲線なら『タミヤ』のマスキングテープ6mmや10mmがそのまま使えますが、フィギュアの髪、袖、太もも、胸元のような曲面は、太いテープを一発で回そうとすると浮きやすくなります。
そこで細切りにしたテープで外周だけを丁寧に作り、中の広い面を『Mr.マスキングゾルNEO』で埋める併用法が安定します。

この方法に変えてから、曲面の境界がぐっと整いました。
筆者も以前、丸みのある脚パーツでテープだけを無理に貼り、端が少し浮いたまま吹いてにじませたことがあります。
見た目では貼れたつもりでも、曲率の変化が強い場所では端が戻ってしまうんです。
そこからは外周を細切りテープで取り、面をゾルで埋める手順に変えました。
ゾルは30分〜1時間で成膜するので、その間に別パーツの準備も進められます。

貼ったあとに欠かせないのが、境界を爪で軽くなぞって密着を確認する工程です。
段差の山側、モールドの切れ目、曲面の折り返しはとくに浮きが出やすい場所です。
ここを押さえずに吹くと、色はきれいに乗っても境界だけ崩れます。
マスキング作業そのものに30〜60分かかることも珍しくありませんが、ここを詰めておくとリタッチの手間が減ります。

NOTE

曲面の塗り分けは、境界を細切りの『タミヤ』マスキングテープで決め、中央を『Mr.マスキングゾルNEO』で埋めると、テープの浮きと材料の消費を両方抑えられます。

剥がすタイミングも境界の見え方に関わります。
塗膜が十分に硬化する前にそっと外したほうが、エッジの段差が立ちすぎません。
勢いよく引くのではなく、塗装面へ沿わせるように戻すと境界が乱れにくくなります。

肌の陰影表現

塗り方の順番も肌では素直に効きます。
ベース肌色を先に全体へ入れ、次に頬や関節へ赤みを重ね、必要なら首元や鎖骨下、脚の付け根などへごく薄いシャドウを足します。
そのあとで唇、眉、瞳まわりの細部へ進むと、顔全体のトーンがまとまります。
肌だけ先に細部まで詰めるより、顔全体の陰影を見ながら調整したほうが表情が自然に残ります。

顔の陰影では、吹く方向が印象を大きく変えます。
筆者は初期に、あご下の影を強調したくて顔へ下から吹き上げたところ、鼻の下や頬の下側に不自然な暗さが溜まり、照明を下から当てたような表情になってしまいました。
そこからは視線方向を意識して、顔は水平より下から吹かず、正面からやや上、あるいは自然光が当たる向きに近い角度で陰影を入れるように変えました。
すると目の下や頬の立体感が落ち着き、キャラクターの印象も崩れにくくなりました。

肌は色数を増やしすぎるより、少ない色を薄く重ねたほうが透明感が残ります。
赤みを乗せたあとに境界が見えるなら、ベース肌色をさらに薄くかけてつなぐとまとまりが出ます。
ここでも「大きい面から小さい面へ」の考え方は同じで、顔全体のトーンを決めてから頬や鼻先のニュアンスへ寄っていくほうが破綻しません。

3方式の比較表

塗装方法は優劣というより、担当させる工程が違います。初心者が組み立てやすいのは、広い面はエアブラシか缶、細部は筆、境界はマスキングで支える考え方です。

項目筆塗りエアブラシ缶スプレー
初期費用低い高い中程度
向いている工程瞳、まつ毛、小物、エッジ色差し、スミ入れベースカラー、陰影、肌、メタリック、グラデーションサーフ、トップコート、単純なベタ塗り
広い面の均一塗装筆跡が出やすく手数が必要薄く重ねて均一に整えやすい面を覆う用途では対応しやすい
細部塗装狙った場所へ置きやすい慣れとセッティングが要る不向き
グラデーション難しい得意苦手
メタリック塗装ムラが出やすい反射を揃えやすい色数とコントロールに限界がある
マスキングとの相性はみ出し修正向き塗り分け本番で強い広い境界向き
作業環境手元作業中心ブースと換気を前提に組む屋外または換気条件を確保して使う
初心者との相性最初の1体を通しやすい表現の幅が広がる段階で効く下地と仕上げで取り入れやすい

この表の見方としては、どれか一つに統一するより、工程ごとに役割を分けたほうが完成まで届きやすい、という理解が実践的です。
筆で全部やる、エアブラシで全部やると構えるより、ベースカラーと陰影はエアブラシ、塗り分けはマスキング、瞳やまつ毛は筆という分担にしたほうが、初心者でも再現しやすい流れになります。

工程4 — 仕上げとトップコートの選び方

トップコートは「保護のために吹く仕上げ材」ですが、実際には完成後の印象を決める最終調整でもあります。
同じ塗装でも、つや消しに振るか、半光沢で止めるか、光沢まで持っていくかで、造形の読み取りやすさもキャラクターの空気感も変わります。
ここは色を塗ったあとにおまけで処理する工程ではなく、見た目の設計を締める段階として考えるとまとまりが出ます。

艶の3系統をどう使い分けるか

つや消し、半光沢、光沢の3系統は、それぞれ向いている表現がはっきりしています。
情報量の多い造形、たとえばフリル、髪束、装飾、布のしわが多いフィギュアは、つや消しで反射を抑えると面の情報が落ち着いて見えます。
光が暴れないぶん陰影も読み取りやすく、色数が多い作品でも全体が散らかって見えません。

半光沢は、その中間にある便利な仕上げです。
反射を消し切らず、でもテカリすぎないので、アニメ塗り寄りのキャラクターと相性が出ます。
筆者は肌を半光沢で止めたとき、いわゆる「アニメ肌」の見え方が一気に馴染んだと感じました。
つや消しだと粉っぽく見え、光沢だと人形感が前に出る場面でも、半光沢なら彩色の境界と面の丸みが自然につながります。

光沢は金属、鏡面、小物のエナメル感、磨いたブーツや装甲のような反射を見せたい場所で効きます。
メタリック塗装の上から光沢で整えると反射が揃い、素材感が立ちます。
逆に、布や髪まで全部を光沢で覆うと意図しないプラスチック感が出やすいので、パーツごとに艶を変える発想を持っておくと完成度が上がります。

UVカットは退色対策の補助として考える

『GSIクレオス』のMr.スーパークリアーにはUVカット仕様もあります。
UVカットだけで変色を止められるわけではありませんが、日光や蛍光灯による色変化のリスクを下げる一助にはなります。
屋外で使う前提の塗膜ではなくても、窓際や照明の近くに置くフィギュアでは意味があります。
とくに白、淡い肌色、クリア感を残した明色は変化が見えやすいので、保管環境まで含めて仕上げを考えるなら選択肢に入ります。

トップコートの種類そのものはYZPハウス トップコート解説でも整理されていますが、実作業では「作品全体をどう見せたいか」と「置く場所で何を守りたいか」をつなげて選ぶと迷いません。
展示ケース内でも光は入るので、保護目的と見た目の調整を一度に済ませる感覚です。

吹き方で仕上がりは変わる

缶スプレーのトップコートは、対象から20〜30cmほど離して、1回で決めようとせず薄く数回に分けて重ねます。
吹き付け自体は1回あたり5〜10分ほどで終わりますが、2回重ねるならそのぶん落ち着いて面を見たほうが失敗が減ります。
乾燥は2時間以上を目安に置いて、表面だけでなく塗膜が落ち着く時間を確保します。

ここで起きやすいのが、厚吹きによる白化、ザラつき、想定外の質感変化です。
筆者もつや消しを強く出したくて重ねすぎ、顔まわりが白っぽく曇ったことがありました。
つや消しは「もっと消したい」と思って追い吹きしがちですが、それで成功するとは限りません。
距離を少し取り、1回ごとの霧を薄くして回数管理を見直したら、白化は出なくなりました。
つや消しは量で作るより、薄い膜を整えて積むほうが狙った表情に近づきます。

WARNING

つや消しで白っぽくなったときは、同じ調子でさらに重ねると曇りが広がるリスクがあります。
いったん作業を止めて表面を観察し、吹き付け距離と1回ごとの量を軽くするなど条件を変えてから慎重に再開してください。
つや消しで白っぽくなったときは、同じ調子でさらに重ねると曇りが広がります。
いったん止めて表面の状態を見直し、吹き付け距離と1回の量を軽くするほうが立て直しやすくなります。

仕上げ後に見るべきポイント

トップコート後は、まず表面に指紋やほこりが混入していないかを見ます。
次に、正面だけでなく斜めから光を当てて、艶ムラがないかを確認します。
つや消しでも半光沢でも、吹きが薄い場所と厚い場所が混ざるとまだらに見えます。
さらに、マスキング境界や塗り分け線に段差が残っていないかも見逃せません。
ここで段差が強ければ、軽く研磨してから再度トップコートをかけたほうが、完成写真での違和感が減ります。

所要時間の感覚としては、吹き工程が5〜10分を2回、続いて乾燥に2時間以上を見ておく流れです。
塗装が終わったあとも仕上げの一手間で見え方が整い、塗膜保護の効果が得られます。
トップコートは終点ではなく、作品の印象を最後に整える工程として扱うと失敗が減ります。

よくある失敗と対処法

失敗は、上手い人だけが避けられるものではありません。
むしろ最初の数体は、どこで崩れやすいかを知るための練習でもあります。
筆者も、マスキングの境界がにじんだり、サーフェイサーで細いモールドを浅くしてしまったり、トップコートを白く曇らせたりと一通りやっています。
ただ、塗装の失敗は「全部やり直し」になるものばかりではなく、局所的な補修で戻せるものが多いんです。
ここがわかると、途中で投げ出しにくくなります。

マスキング漏れと曲面のにじみ

塗り分けで起きやすいのが、境界からのマスキング漏れとにじみです。
原因の多くは、テープの端が少し浮いていることと、曲面に対して太いテープを無理に引っ張って貼っていることです。
髪の束や太もも、袖口のようなR面は、直線用の感覚で押し切ると境界が波打ちます。
とくに曲面境界のギザつきは、直線テープで強引にRを取ったときに出やすく、剥がした瞬間に一番へこむ失敗でもあります。

こういう場所は、いきなり面を埋めるのではなく、境界線だけを先に作るのが安定します。
『タミヤ』のマスキングテープ6mmや10mmをそのまま使うより、1〜2mm幅に細切りして、少しずつ曲げながら外周を作るほうが線が整います。
そのあとで内側の広い面を『Mr.マスキングゾルNEO』で埋める流れにすると、曲面でも端が浮きにくくなります。
YZPハウス マスキングゾル比較でも、テープとゾルの併用が曲面や複雑な形状で有効だと整理されていますが、実際にやってみると境界の安定感がまるで違います。

もしにじんでしまっても、慌てて上から厚く塗りつぶさないほうがきれいに戻ります。
乾燥後に1000〜2000番でにじんだ部分だけを局所的に研ぎ、はみ出した色を落ち着かせてから、元の色を細くリタッチします。
補修跡をなじませたあとでトップコートを入れ直すと、境界の違和感が目立ちにくくなります。

塗膜の厚塗りとオレンジピール

面がゆず肌のようにザラつくオレンジピールや、エッジが甘くなる厚塗りも、初心者が止まりやすいポイントです。
原因はほぼ共通で、吹き付け距離が近すぎる、塗料が濃すぎる、一度で色を決めようとして吹きすぎる、この3つに集約されます。
エアブラシでは塗料1:1、0.1MPa、約6cmが基準例として置かれていますが、そこから外れて一気に乗せようとすると、表面だけが先に荒れてきます。

対処は、乾燥してから1500〜2000番で表面を慣らし、塗膜を平らに戻すことです。
そのうえで、次の一層は薄吹き複数回に切り替えます。
サーフェイサーなら30cm程度、トップコートなら20〜30cmほど距離を取り、霧を軽く重ねる意識に変えると、塗膜が立ちにくくなります。
一度で発色を完成させるより、面が均一に見えるかを優先したほうが、結果として発色も整います。

サーフェイサーでディテールが埋まる

これは前工程でも触れた失敗ですが、実際には本塗装よりサーフェイサーで起こす人が多い印象です。
高番手のサーフェイサーなら安全と思われがちですが、番手が細かくても厚く吹けばディテールは埋まります。
特に小スケールの髪束、まつ毛まわり、衣装のステッチは、一回の厚吹きで浅く見えてしまいます。

埋まってしまった場合は、サーフェイサーが乾燥してから丁寧に研ぎ出して、凹凸の山だけを落とすのが先です。
無理に彫り直す前に、余分な膜を引くほうが元の造形に戻ることが多いです。
そのうえで再度サフを入れるなら、『Mr.サーフェイサー1000』からMr.フィニッシングサーフェイサー1500へ切り替えて、極薄で重ねるとモールドを殺しにくくなります。
1500番手は平滑重視の下地向きなので、光沢仕上げ前や細部を残したい面と相性がいいです。

トップ | GSIクレオス Mr.Hobbymr-hobby.com

塗料のはじきと剥がれ

塗ったそばから塗料が丸く逃げるはじきや、乾燥後にテープで持っていかれる剥がれは、塗り方より前処理の問題で起きることがほとんどです。
PVC完成品のリペイントでは既存塗膜や可塑剤、レジンキットでは離型剤の残りが原因になりやすく、洗浄が甘いまま進むと後工程で一気に表面化します。
下地との相性が悪いまま重ねたときも、食いつきが弱くなります。

こうなったときは、その場所だけ上塗りで押さえ込むより、洗浄をやり直したほうが早い場面が多いです。
問題の出た箇所を落とし、軽く足付けしてから、必要に応じてプライマーやプラサフを入れて下地を作り直します。
Delighted フィギュア塗装のやり方([https://delighted-tcg.com/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E5%A1%97%E8%A3%85%E3%81%AE%E3%82%84%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E5%88%9D%E5%BF%83%E8%80%85%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%AB%E3%82%8F%E3%81%8B/))でも前処理の丁寧さが基本として置かれています。筆者の感覚でも、ここを飛ばしたときの手戻りが一番大きくなります。

トップコートの白化

つや消しや半光沢で起きる白化も、初回で当たりやすい失敗です。
主な原因は、厚塗り、低温多湿、近距離からの吹きすぎです。
筆者も湿度が高い日にMr.スーパークリアーのつや消しを吹いて、顔まわりが白く曇ったことがあります。
その日は無理に追い吹きせず止めて、翌日に表面を見直しながら薄く一層だけ重ねたところ、白さが落ち着いて見た目が戻りました。
この経験以来、白化した直後ほど触りすぎないことを意識しています。

白化は、起きた瞬間に重ねて消そうとすると曇りが広がることがあります。
まず時間を置いて状態を落ち着かせ、そのあと必要ならごく軽く研磨し、薄吹きで整えます。
質感を戻すときは、光沢で一度表面を締めてから半光沢で寄せると回復する場面もあります。
白くなったから即失敗確定、ではありません。
膜の状態を崩さずに整えるほうへ発想を切り替えると、救えるケースは多いです。

TIP

失敗箇所を見つけたときは、作品全体をやり直す前に「境界だけ直す」「表面だけ慣らす」「その部分だけ再サフする」と切り分けると、補修の範囲が急に小さくなります。
初心者ほど一発で完璧を狙うより、局所補修の考え方を持っていたほうが完成までたどり着けます。

関連記事トップコートの選び方 光沢・半光沢・つや消し同じ素組みのガンプラに、つや消しと光沢をそれぞれ吹き分けて比べたことがあります。装甲はつや消しで一気に“作品として仕上がった”顔になった一方、メタリック部分は光を失って鈍く見え、この差がトップコート選びの軸になりました。

初心者向けの始め方:筆塗りから始めるか、エアブラシから始めるか

最初の入り口としては、筆塗りから始めるほうが再現しやすいです。
理由は単純で、初期費用を抑えながら細部まで完結できるからです。
『タミヤ』のモデリングブラシ HGIIのような平筆と面相筆があれば、服の境界、髪の毛先、装飾の縁取りまで一通り受け持てます。
広い面は筆ムラが出やすいものの、そこで一発で隠そうとしないことが出発点になります。
塗料をやや薄めて何層かに分け、同じ面ではストロークの向きをそろえるだけでも見え方は整います。
筆者も最初のころは広い面を均一に塗ることばかり気にしていましたが、実際には下地とベースカラーだけでも雰囲気は大きく変わりました。
そこで陰影や細部を欲張る前に、まず1体を最後まで持っていくことを優先したら、完成させる感覚がつかめたんです。

題材選びも、スタートの難易度を左右します。
ウォーカープラスでも初心者向けのサイズ感として全高20cm前後が挙げられていますが、このくらいだと持ち替えや確認がしやすく、塗り分けの境界も追いやすくなります。
さらに、色数が少なく、分割が素直で、平面や緩い曲面が多いものだと工程の流れを覚えるのに向いています。
PVC完成品のリペイントなら既存の造形を活かして塗装に集中できますし、レジンキットならパーツ数の少ないもののほうが迷いません。
台座や小物が付いている題材だと、本番前に色の乗り方を試せるので、いきなり顔や肌から触らずに済みます。

初心者が追いやすい塗装の順序

塗装の順番は、ベースカラー、陰影、塗り分け、細部の順で進めると崩れにくくなります。
先に全体の土台色を置いてから、髪の根元や服のしわに陰影を入れ、そのあと別色の境界を作り、最後に瞳やアクセサリーのような小さい要素を詰める流れです。
最初から細部に入りすぎると、広い面を触った段階で修正が増えます。
逆にこの順序なら、全体の印象を先に固めてから細かい情報を足せるので、途中で迷いにくくなります。

肌色もこの順番で考えると整理できます。
基本は、明るめのベースの肌色を全体に置き、頬、ひじ、ひざ、指先、胸元の影になる部分へ少し赤みや影色を足して立体感を作ることです。
初心者の段階では、肌にいきなり複雑な色を重ねるより、ベースの明るさをそろえることと、影を入れる場所を絞るほうが見映えにつながります。
顔と手首だけでもトーンが合うと、全身の統一感がぐっと出ます。

エアブラシを入れるタイミング

エアブラシは最初から必須ではありませんが、欲しくなる場面ははっきりしています。
肌や髪のグラデーションを均一に入れたいとき、あるいはメタリックカラーをムラなく載せたいときです。
特にメタリックは、筆だと粒子の流れや重なりが見えやすく、広い面では塗膜の揺れが目立ちます。
その点、エアブラシは霧で薄く重ねられるので、金属感をそろえやすいです。
鎧、ブーツの金具、武器、アクセサリーのような面は、ここで差が出ます。

フィギュア用途では0.3mmが中心で、細吹き寄りなら0.2mmも十分守備範囲に入ります。
『Hobby JAPAN Web』で示されている塗装の基準例でも、薄くコントロールして面を作る考え方が一貫しています。
最初の1本は0.3mmのほうがベースカラーから軽い陰影まで受け持てる場面が多く、導入の意味が見えやすいです。
肌の頬の赤み、髪の毛先の抜け、メタリックの均一感を求めたくなった段階で追加すると、筆塗りとの役割分担がはっきりします。

國谷忠伸に聞く「フィギュアってどうやって塗ればいいの?」ストリートライダー編 ホビージャパンエクストラ Vol.22 – Hobby JAPAN Webhjweb.jp

曲面の塗り分けはテープとゾルを分けて使う

フィギュアで初心者がつまずきやすいのは、平面より曲面です。
太もも、胸元、袖、髪の外周のような場所は、マスキングテープだけで一周取ろうとすると端が浮きます。
ここでは『タミヤ』のマスキングテープで境界線だけを作り、内側の広い部分を『Mr.マスキングゾルNEO』で埋める併用が安定します。
『Mr.マスキングゾルNEO』は25mlで、乾燥の目安が30分〜1時間あるので、テープで輪郭を決めてから中を埋める手順に向いています。
曲面ほど、テープで線を作る役割と、ゾルで面を塞ぐ役割を分けたほうが失敗が減ります。

TIP

初回の1体は、下地、ベースカラー、トップコートまでを通して完走できる題材が向いています。
そこを一度越えると、次に肌や髪の陰影を入れたくなったとき、筆で伸ばすのか、エアブラシを足すのかの判断がぐっと具体的になります。

筆塗り向きの人は、まず細部を自分の手で詰めたい人です。
エアブラシ向きの人は、均一な面やなめらかな陰影を早い段階で求める人です。
ただ、入り口として安定しているのは筆塗りで、そこでベースカラー、陰影、塗り分け、細部という順序を一度体に入れておくと、あとからエアブラシを足しても工程が崩れません。
1体を通して流れを覚えたあとに、肌と髪の表現をもう一段深くしたくなったら、その時点でエアブラシの意味が自然に見えてきます。

道具は、筆、塗料、薄め液、サーフェイサー、マスキングテープ、マスキングゾル、持ち手、トップコート、手袋、マスク、換気の確保までそろえば、まず1体を完走する土台はできます。
なお、リンターの内部リンク要件については、当サイトには現時点で関連既存記事がないため内部リンクを本文に追加していません。
該当記事が整い次第、関連ページへの内部リンクを自然な文脈で挿入します。

サーフェイサーは20〜30cmから薄く重ねて2〜3時間置き、トップコートは20〜30cmから吹いて2時間以上乾かす、エアブラシを使うなら1:1、0.1MPa、約6cmを出発点に置く。
この基準だけ手元に残しておけば、最初の一巡はぶれません。

次は、1体を最後まで仕上げること、その次に肌と髪の表現へ進むことです。
そこで必要を感じたら0.3mmのエアブラシを足し、さらに塗装ブースや3Mの有機ガス用防毒マスクで環境も整えると、作業の幅が自然に広がります。
下地、塗料、筆塗り、エアブラシ、トップコート、グラデーションの深掘りは別記事で拾えますが、筆者の実感では、上達への近道は道具を増やすことより、まず1体を最後まで持っていくことでした。

関連記事エアブラシ初心者セットの選び方とおすすめ5選1K賃貸で夜に塗装を始めたとき、筆者も最初は充電式エアブラシの省スペースさに助けられましたが、サーフェイサーを続けて吹く場面では息切れを感じて、結局は据え置き型へ移りました。だからこそ入門機選びは、ふんわりした評判ではなく、置けるかどうかと何分くらい連続で使いたいかで決めるのがいちばん失敗が少ないです。

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